kateinoigakukunのブログ

思考垂れ流しObserver

RubyKaigiとiOSDCでWasmの話をしてきた

09/08-10に三重で開催されたRubyKaigi、09/10-12に東京で開催されたiOSDCにどちらもスピーカーとして参加してきました。

カンファレンスはしごされた方はお疲れ様でした。

RubyKaigi Keynote

初めてのRubyKaigiでの発表で、さらにキーノートで、さらにトップバッターという大変貴重な体験でした。いやー緊張した。1

当日のスライドはこちら。

Ruby 3.2でサポート予定のRubyのWebAssembly/WASI対応について話してきました。

前半でモチベーションや出来るようになったことをデモを交えつつオーディエンスと共有して、後半は実装について自分の好きなことを話す、という構成でした。

syntax_treeを使ったデモはちょっと上手くいかなかったんですが 2、 一番見せたかったIRBSVGを表示するデモがうまくいって良かったです。IRBのデモはこちらで遊べます。

irb-wasm.vercel.app

少しでもKaigiを盛り上げられたなら嬉しいです。発表練習に付き合ってくださった皆さんありがとうございました。

さっそく遊んでくださっている方もちらほら見られたり、「WebAssemblyのことは今まであまり知らなかったけど興味が出てきた」といった声を頂くこともあり、大きな場で話す機会の重要性を実感しました。

最終日途中でiOSDCの方に移動してしまったのでクロージングはきちんと見られていないんですが、TRICKの受賞作品をブラウザで動かすというアツい展開もあったようですね。

気になったトーク

Towards Ruby 4 JIT - RubyKaigi 2022

コンパイラ側の気持ちに興味があるため、JITの話はかなり面白かったです。自分で手軽にJITコンパイラをかける口があるとのことなので試してみたいと思います。特にLLVMよりコンパイル時間が安く済むと噂のCraneliftは一度試してみたいので。

Implementing Object Shapes in CRuby - RubyKaigi 2022

Object Shapeの話も直感的にはグッと速くなるのかなと思っていたんですが、意外と伸び悩んでいたのでどこに原因があるのか、そもそもここにネックはないのか?と色々と考えることがあって面白いなと。これも追っていきたいです。

Stories from developing YJIT - RubyKaigi 2022

例によってこれも実際には聴けていないんですが、反応を見る限りかなり自分の興味に合いそうなので気になっています。動画が出たらすぐに見たい。

おいしいRubyKaigi

ありがたいことに大変おいしい思いをさせていただきました。 うなぎも松坂牛もウマー😋 ご馳走様でした。

iOSDC

RubyKaigi最終日の昼過ぎに会場を出て、iOSDC初日の終わりの方から参加していました。iOSDCでは今年で通算4回目の発表でした。

懲りずに自分がメンテしているSwiftWasmプロジェクトについての発表だったんですが、今年はプロダクションでの採用事例やデモを多めにすることで、「あれ、意外ともう使えるんじゃないか?」と思ってもらうことがメインの狙いでした。どうでしたか?

また、実際に手を動かしてコントリビューションしてくださる例もあり、大変ありがたかったです。

気になったトーク

Xcode が遅い! とにかく遅い!! 遅い Xcode をなんとかする方法 by Yoshimasa Niwa | トーク | iOSDC Japan 2022 - fortee.jp

ある程度大きなプロジェクトを経験したことがあったので、共感できることも多かったです。正しく根本の原因を特定し、現実的なワークアラウンドに落とし込んでいく様子はソフトウェアエンジニアリング感がありこうありたいなと思いました。

まとめ

RubyKaigiではほぼ皆さんはじめましての状態だったんですが、おかげさまで楽しいコミュニケーションができました。これからもよろしくお願いします。 iOSDCでは久しぶり皆さんにもご挨拶できたのでオフライン開催ありがたかった…

来年もどちらも参加したいです。(幸い来年は日程が離れてそう)


  1. 緊張の結果がこれです https://twitter.com/kateinoigakukun/status/1567708097900331008

  2. これはいまだに原因が分からない… ライブコーディングはむずかしい。